消費者の「知りたい!」に応える、人気園芸Youtuber
引用元 : グリーン情報 2021年3月号 掲載記事
>YouTube活動を始めたきっかけは?
コロナ禍がきっかけです。ステイホームが広まるにつれて園芸の需要が高まり、店が忙しくなりました。スタッフは商品の補充やレジ作業で手いっぱいで、とてもじゃないけれど接客が追いつきませんでした。そんな状況もあってか、店員に質問するビギナーさんが少なかったのが印象的で、コロナが明けたら園芸から離れてしまうと思ったんです。
定着してもらうための策を練るにあたり、ビギナーさんが何を参考に園芸をしているか考えたところ、今は動画かなと。当時園芸のYouTuberは少なかったので、ビギナーさんでも分かりやすい動画をつくろうと考えました。ハウツーをまとめた動画を店内でも流せば接客の代わりにもなるし、社員教育の教材にもなるかなと思ったんです。
当初の目標は、チャンネル登録者数を1年で1000人にすることでしたが、5カ月で10万人に到達。園芸需要の高さを実感し、うれしくなりました。
>チャンネルのコンセプトは? 「カーメン君」はどうやって誕生したのでしょうか。
「みんなが園芸で知りたいことを教える!」ですね。一般の消費者が手に取りやすい商品や個人庭の紹介、園芸店から見た他店舗の評価など、みんなが気になることをまとめています。雑草の多い夏に「雑草は抜かなくてもいいのでは?」という提案を動画にしたところ、とても反響が大きかったです。
動画づくりもこだわっています。ビギナーさんにとって園芸用語は難しいので、自分で調べられるようにテロップを書いたり、動画をチャプター分けできるジャンプ機能を使って、見たい情報にアクセスしやすくしたりしています。
社員教育もコンセプトの一つです。ガーデンガーデンのノウハウを注ぎ込んでいるので、園芸初心者に必要な基礎知識は理解してもらえるようにと考えています。
「カーメン君」というキャラクターは、10年ほど前から店で売り込んでいました。個人としての個性を際立たせて、お客さんに覚えてもらいたいという狙いで始めたんです。カーメン君として、小学校で園芸講習などもしていますよ。
>企画を考えるのは大変ではないですか?
内容自体が面白くないと見てもらえないのはもちろんですが、伝えたいことはたくさんあるので、企画で困ることはありません。いま撮影を手伝ってくれているカメラマンの子が園芸初心者で、撮影中にビギナー目線の質問を投げてくれるので、視聴者がどんな情報を求めているかのヒントになっています。
YouTubeで活動をはじめて大変だったのは、動画の編集ですね。最初は10分の動画をつくるのに5、6時間かかっていて、家に帰って寝る間を惜しんで編集していました。いまは編集を外注しています。
店のオープン前を狙って朝6時から撮影したり、天候に左右されるのも苦労します。開放的なイメージにしたいので、曇りの日の撮影もできるだけ避けています。それでも週に3回の動画投稿はしなければいけないので、撮影のタイミングを図るのが難しいです。
>YouTube活動においてのやりがいと、今後の目標を教えてください。
「動画を見て成功したよ」「知っているお店を紹介してくれてうれしい」など動画にコメントをいただくたび、園芸を楽しむ人がたくさんいることに喜びを感じます。動画を見て自分の店に来てくれるのももちろんうれしいですが、ほかの園芸店に通うファンがこれだけいると実感できるのが一つのやりがいです。
まずはチャンネル登録者数を増やして、園芸チャンネルの認知度をあげるのが目標です。今春も園芸を始める人が多いと思うので、変わらず初心者向けの動画づくりをしていきます。